構内観測



9月5日19時7分頃、紀伊半島沖を震源とするMJ6.9の地震がおきました。
京都大学宇治キャンパス防災研究所では計測震度3を記録しました。
構内観測点で観測された地震記録例を以下に示します。構内には地中に地震計 が埋められています。地表、地中(-10m, -30m, -100m, -500m)の深度の記録を 深さに比例させて図示しました(上が東西速度波形,下が南北速度波形)
ここにならべた記録は、成分毎に同じスケールでしめしてあります。このうち-500mは、 岩盤中に設置された地震計です。
速度応答スペクトルの比較(南北成分)からは、岩盤中で は約7秒が卓越し、地盤では約2秒、表層近くで0.5秒程度の周期が増幅して いることがわかります。 このことは、岩盤中の 波形に比して、地盤内、更に表層での記録の比較によっても推察することがで きます。

東西速度波形



南北速度波形



南北擬似速度応答スペクトル





同日23時57分にMJ7.3の地震がおきました.-500m観測点の記録の比較をします. 後者は前者の約2倍の振幅をもっています.波形は似ています.後者は宇治の観測点でみて,主震 の15秒ほど前に小さなイベントが観測されています.


地表記録の応答スペクトルの比較をしました. 前者に比して後者は全体の周期で上まわっています.特に7秒以上の応答値が 大きくなっています



(岩田知孝・浅野公之)




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