大学院入学案内

強震動研究分野(応用地震学)での修士課程または博士後期課程の指導を希望する学生は、は京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻(地球物理学分野)地殻物理学及び活構造論分科に所属します(地震学及び地球内部物理学分科ではないので気をつけてください)。

修士課程への入学

京都大学大学院理学研究科の修士課程は文部科学省大学院設置基準にいう「博士課程前期2年の課程」であり、これを京都大学では修士課程と称し取り扱っています。 京都大学大学院理学研究科はその設置目的に照らし、アドミッションポリシーとして以下のような学生を募集しています(募集要項より)。

  1. 自由を尊重し、既成の権威や概念を無批判に受け入れない人。
  2. 自ら考え、新しい知を吸収し創造する姿勢を持つ人。
  3. 優れた科学的素養・論理的合理的思考力と語学能力を擁し、粘り強く問題解決を試みる人。
  4. 自然科学の進歩を担う研究者、およびその普及・社会的還元に携わることを目指す人。

大学院入学試験

修士課程の入学試験の募集定員は分科群ごとに設定れており、地殻物理学及び活構造論分科への進学を希望する場合には,分科群として固体地球群を受験することになります。 固体地球群には、地殻物理学及び活構造論分科のほかに、測地学および地殻変動論分科、地震学及び地球内部物理学分科が属しています。所属する分科は群に合格後に決定します。

地殻物理学及び活構造論分科は吉田キャンパスの活構造学(通称4講座)と宇治キャンパスの応用地震学(防災研究所)の2グループで研究活動をしており、大学院入学後はどちらかを主な拠点として活動することになりますが、学事に関しては分科として一体的に運営しています。

※研究室訪問や研究内容,指導方針などに関する問い合わせ等は随時受け付けておりますので、担当教員へご相談ください。

令和7年度(2025年度)入学の入試について

受験をご検討される方は大学院理学研究科WEBサイトより修士課程学生募集要項・出願書類一式入手してください。
[[京都大学大学院理学研究科 大学院入試・修士課程]]

博士後期課程への入学

京都大学大学院理学研究科では、修士課程からの進学のほか、国内外の他大学大学院修士課程からの編入学も受け入れています。 また、地球惑星科学専攻では、社会人として2年以上の実務経験を有し、在職のまま入学を希望する者の受験も受け付けています。 博士後期課程の4月入学の進学・編入学試験は例年2月、10月入学の入学試験は例年7~8月に実施されます。

研究室訪問や研究内容,指導方針などに関する問い合わせ等は随時受け付けておりますので、担当教員へご相談ください。

令和6年度(2023年度)10月入学の入試について

受験をご検討される方は京都大学大学院理学研究科「大学院入試・博士後期課程」のWEBサイトより博士後期課程学生募集要項・出願書類一式を入手してください。紙媒体での配布はしていません。
[[京都大学大学院理学研究科 大学院入試・博士後期課程]]

大学院の教育課程

修士課程の修了には30単位以上の修得が必要です。 そのうち、必修である地球惑星科学特殊研究が12単位(3単位×4期)ですので、残り18単位を講義及びゼミナールから修得することになります。 講義5科目(2単位×5)、ゼミナール4科目(2単位×4期)というパターンで単位を修得する学生が多いです。 講義科目は、地殻物理学及び活構造論分科での開講科目のほか、各自の興味などに応じて、他分科で開講されている科目を宇治や北部キャンパスで履修します。

当研究室のスタッフが開講している講義・ゼミナール科目についてはこちらをご覧ください。

セメスター 主なスケジュール 講義・ゼミナール 特殊研究
M1前期 4月: 入学式、専攻ガイダンス
5月: 地球惑星科学連合大会
応用地震学A 2単位
応用地震学ゼミナールA 2単位
他分科開講科目、集中講義など 4~6単位
地球物理学特殊研究A 3単位
*研究テーマを決める
*先行研究などの文献調査
M1後期 10月: 日本地震学会
応用地震学B 2単位
応用地震学ゼミナールB 2単位
他分科開講科目、集中講義など 2~4単位
地球物理学特殊研究B 3単位
*自分の研究を本格的に進める
M2前期 就職活動、公務員試験
5月: 地球惑星科学連合大会
7月: 修士論文中間報告
応用地震学ゼミナールC 2単位
地球物理学特殊研究C 3単位
*就活と平行して研究を進める
*修士論文の方向性を考える
M2後期 10月: 日本地震学会
12月: AGU秋季大会
1月後半: 修士論文提出
2月前半: 修士論文発表会
2月後半: 修士論文最終版提出
3月: 学位授与式
応用地震学ゼミナールD 2単位
地球物理学特殊研究D 3単位
*研究をまとめ、修士論文を執筆

最近の博士論文・修士論文の内容はこちらをご覧ください。

研究生活

理学研究科は複数指導教員制を採用しており、正副2~3名の指導教員が学生の指導に当たります。

研究室内で輪読ゼミを週1回開催し、弾性波動論や震源過程に関する基礎的な教科書を勉強しています。

研究指導は妥協せず、学生であっても研究の最前線で渡り合えるよう指導しています。

5月の日本地球惑星科学連合大会、10月の日本地震学会秋季大会、12月のアメリカ地球物理学連合秋季大会では、よい成果が出れば、積極的に研究発表するよう勧めています。

修士課程在学中の研究成果を学会誌「地震」のほか、国際的な査読付き学術雑誌に論文を投稿した学生も多数います(Earth Planets and Space, Bulletin of Seismological Society of America, Journal of Seismology, Geophysical Journal International etc.)。

防災研究所の組織の特色を生かし、土木系、建築系の研究室とも日頃からゼミ、観測などで交流しています。

卒業生の進路(名称は当時のもの)

修士課程修了

官公庁: 原子力規制委員会、気象庁

民間(地震関係): 株式会社構造計画研究所、IMV株式会社、一般財団法人地域地盤環境研究所

民間(その他): エンゼルグループ株式会社、中部電力パワーグリッド株式会社、新日鉄ソリューションズ株式会社、富士通テン株式会社、株式会社富士通ビー・エス・シー

博士後期課程修了

大学: 京都大学、東京大学、コスタリカ大学、ボアジチ大学、中国科学院大学、メキシコ自治大学

国立研究開発法人: 国立研究開発法人防災科学技術研究所

官公庁: 消防庁消防研究所

民間研究機関: 一般財団法人電力中央研究所