Reporter: | 小松 正直 [Masanao KOMATSU] |
Title: |
Lucente, F. P., N. P. Agostinetti, M. Moro, G. Selvaggi and M. D. Bona
(2005) Possible fault plane in a seismic gap area of the southern Apennines (Italy) revealed by receiver function analysis J. Geophys. Res., 110, B04307, doi:10.1029/2004JB003187. |
Summary: |
Reporter: | 山下 佳穂里 [Kaori YAMASHITA] |
Title: |
Stehly, L., M. Campillo, B. Froment, and R. L. Weaver (2008) Reconstructing Green's function by correlation of the coda of the correlation (C3) of ambient seismic noise J. Geophys. Res., 113, B11306, doi:10.1029/2008JB005693. |
Summary: | 微動の相互相関関数を計算することによって求められるグリーン関数は,微動源が均一に分布していないことによる,波の到来方向が均一でない影響によって, 正確にグリーン関数を構築できないことが指摘されてきた.そこで,本論文では微動の相互相関関数のコーダ波部分の相互相関関数を計算し,グリーン関数を求める,C3 関数という新しい手法を提案した.アルプス地域に展開された広帯域地震観測網の微動記録の,ある2点A,B間の相互相関関数を計算して,得られたグリーン関数と,3点目の観測点Cに対してA-C,B-Cといった相互相関関数のコーダ波部分の相互相関関数を多くの点Cに対して求め,スッタキングを行う.C3 関数から得られたグリーン関数を比較し,C3 関数がグリーン関数を表わしていることを確認した.C3 関数を用いて得られたグリーン関数は,微動で求められた グリーン関数よりも波の到来方向の影響が改善されていた.これはC3 関数がA-C_1 _, B-C_1 ,A-C_2 ,B-C_2 …といった,様々な位置にある観測点Cとの相互相関関数を計算することによって得られたコーダ波を用いるため,波の到来方向が均一化されるためと考えられる.また,71km離れた観測点間のグリーン関数を構築するのに,微動の相互相関関数を用いる手法では1年間のデータを必要としたのに対し,C3 関数は2日間のデータでグリーン関数が構築できた.しかし,C3 関数による方法は,2点間の微動の相互相関関数を計算し,グリーン関数を求める手法よりも観測点を多く必要とすること,観測点Cは観測点A,Bに対して様々位置にあるものを選ぶ必要があると考えられる. |