Reporter: | 岩城 麻子 [Asako IWAKI] |
Title: |
Monelli, D., P. M. Mai, S. Jonsson, and D. Giardini (2009) Bayesian imaging of the 2000 Western Tottori (Japan) earthquake through fitting of strong motion and GPS data Geophys. J. Int., 176, 135-150. |
Summary: | 2000年鳥取県西部地震については観測を説明する運動学的な震源モデルがいくつ か提案されてきているが,それらの解は必ずしも互いに似かよっているわけでは なく,使用するデータ,手法,評価関数,先験的情報の与え方などの違いによる 無視できない相違点が見られる. この論文では,運動学的な震源モデルのモデルパラメータの解像度を決定するこ とに主眼を置き,強震記録とGPS記録のフィッティングから得られる2000 年鳥取 県西部地震の震源過程像をベイズ的アプローチによって求めた.求めるモデルパ ラメータ(最大すべり速度,破壊時刻,立ち上がり時間,すべり角)を,データ や理論の先験的情報(prior pdf)に基づいた事後確率密度関数(posterior pdf)と して表現し,強震記録のみを用いた場合,および強震記録とGPS記録の両方を用 いた場合について,それぞれマルコフ連鎖モンテカルロ法によってサンプリング を行った.さらに,個々のパラメータの独立な確率分布を表わす周辺確率密度関 数(marginal pdf)を計算し,それぞれのモデルパラメータの解像度を議論した. 解析の結果,強震のみ,強震+GPSのどちらの場合のpdfからも,破壊開始点と断 層上端の間の深さ4.5km程度の場所にすべりの大きい領域 (〜300cm)がみとめら れた.これは先行研究とも調和的である.また,どのパラメータも,すべりの大 きい領域で最も解像度が高かった.これは観測記録の大部分はこの領域から出た 情報で決まっていたことを意味する.GPS記録の使用は地震モーメントの推定に 少なからぬ影響を及ぼすことも分かった. また,断層上の多くの場所で,各パラメータのmarginal pdfは歪んだ分布をして おりGaussian的ではなかった.これはパラメータの解像度を標準偏差だけで議論 することは適当でないということを意味していると著者らは指摘している. ただし,ライズタイムや破壊時刻は許容されたモデルスペースの上限あたりで確 率が最も高くなっており,正規分布的であるかどうかの議論ができるほど十分に モデルパラメータが探索されていない可能性もある.なお最大すべり速度はすべ りの大きな領域では正規分布的な分布をしている.この手法で得られる解は先験 的に与えるモデルスペースの選択に大きく依存することに注意が必要である. |
Reporter: | 関口 春子 [Haruko SEKIGUCHI] |
Title: |
Semblat, J.-F., M. Kham, and P.-Y. Bard (2008) Seismic-wave propagation in alluvial basins and influence of site-city interaction Bull. Seism. Soc. Am., 98, 2665-2678. |
Summary: |