2009年1月15日の雑誌会
Report of Zassikai on January 15, 2009

日 時:2009年1月15日(木)10:30 - 12:30
[DATE: January 15, 2009 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所E326D室(新棟東3階セミナー室)
[PLACE: Room #E326D, DPRI]

雑誌紹介

Reporter: 岩城 麻子 [Asako IWAKI]
Title: Ma, S., G. A. Prieto, and G. C. Beroza (2008)
Testing community velocity models for southern California using the ambient seismic field
Bull. Seism. Soc. Am. 98, 2694-2714.
Summary: 南カリフォルニアの56点の広帯域地震観測点で得られた常時微動記録(上下動成分)の2観測点間の相互相関をとることによって300以上の組み合わせのサイト間Green関数を得,微動から得られたGreen関数と, 2つのSCEC Community Velocity Model (CVM4.0およびCVM-H5.2)を用いて有限要素法で計算された理論Green関数を比較し両モデルの検証を行った. その際それぞれのGreen 関数についてtime-lagと相関係数を示すことによりpathごとにモデルの説明力を評価した. その結果,どちらのモデルでも多くのpath上で観測と理論Green関数はよく一致したが,相関係数の頻度分布からはCVM4.0の方がCVM-H5.2と比べより多くのpathで観測をよく説明するという結果が得られた. また相関係数およびtime-lagは観測点間の距離や方位角と無関係であることが示された.この手法で得られたpath上のtime-lagからはモデルのどこが不十分なのかを直接的に示すことはできないが, 地震波トモグラフィなどに取り入れることによってモデルの改善に重要な情報となり得る. 本論文で得られたGreen関数は卓越周波数帯が0.1-0.2Hzであったが,より高周波数側での解析は今後の課題である. また,海からの脈動や局所的な構造不均質等,偏った微動源の分布がGreen関数に及ぼす影響の有無や程度を調べる必要がある.

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