2007年12月20日の雑誌会
Report of Zassikai on December 20, 2007

日 時:2007年12月20日(木)10:30 - 12:30
[DATE: December 20, 2007 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所D1219室(巨大災害研究センター会議室(本館新棟2階))
[PLACE: Room #D1219, DPRI]

研究報告

Reporter: 乘松 君衣 [Kimie NORIMATSU]
Title: 2006年および2007年千島地震の余震活動
Summary: 2006年11月15日および2007年1月13日に発生した千島地震に対して,余震の震源 再決定により断層面を推定した.震源域からの距離が30- 90°の範囲で観測され た波形を用い,遠地実体波解析を行ってイヴェントの深さを決定し,そのイヴェ ントをMaster eventとしてそれに対して他のイヴェントの震源を相対的に決定す るという方法で震源再決定を行った.2006年の地震はそれまでから発表されてき た結果と同様に北西方向に浅い角度で傾斜した逆断層と推定された.また,これ までよく推定されてこなかった2007年の断層面は2006年よりも深く南東方向に傾 斜した正断層であると推定した. これからの課題としては,Master eventの選び方によって結果がどのように変 わってくるのか,他のイヴェントをMaster eventとして同様の解析を行うこと, これまで用いてきたIASP91速度構造をもっとローカルな海の構造に変えて結果の 変化を見ることである.

雑誌紹介

Reporter: 浅野 公之 [Kimiyuki ASANO]
Title: Mehta, K., R. Snieder, and V. Graizer (2007)
Downhole Receiver Function: a Case Study, Bull. Seism. Soc. Am., 97, 1396-1403.
Summary: San Francisco湾Treasure Island鉛直地震計アレイ記録に見られる上昇波,下降 波の性質を調べるため,デコンボリューション法とレシーバ関数法によって地震 記録が解析された. その結果,P波区間Radial成分の地中記録を地表記録でデコンボリューションす ると,PS変換波の上昇波・下降波に対応する位相が見出された.各深さの地震計 での記録のR/Vレシーバ関数を求めると,PS変換波が得られ,直達P波に対する相 対的な走時から,PS変換波は最深部の地震計(深さ104m)のすぐ近く(深さ100m)に 存在する未固結堆積層と基盤岩(砂岩,頁岩)の境界で生じたものであることが 明らかになった.なお,地中記録のレシーバ関数には,下降波の影響が含まれる ため,分母である上下動成分が純粋な入射波動場ではないことが懸念されるが, 数値モデルによる解析の結果,ダウンホールアレイの地中記録のレシーバ関数の 初動はPS変換波であることが確められた.

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