2007年11月29日の雑誌会
Report of Zassikai on November 29, 2007

日 時:2007年11月29日(木)10:30 - 12:30
[DATE: November 29, 2007 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所D1219室(巨大災害研究センター会議室(本館新棟2階))
[PLACE: Room #D1219, DPRI]

雑誌紹介

Reporter: 岩田 知孝 [Tomotaka IWATA]
Title: McGarr, A. and J. B. Fletcher (2007)
Near-Fault Peak Ground Velocity from Earthquake and Laboratory Data, Bull. Seism. Soc. Am., 97, 1502-1510.
Summary: 確率的地震動予測においては,地震動の強さの確率表現を距離減衰式におけるバラツ キによって行うため、裾野を打ち切っていない対数正規分布をそのまま用いると、地 震動強さの上限がなく、低確率のもとでは地震動強さはいくらでも大きい値となる。 本論文では強震動の上限が存在するという作業仮説のもと,大地震、鉱山での地震、 実験室の観測から最大すべり速度と最大地動速度の地震規模依存性を検討している。 広い地震規模に亘って,地動の最大速度と、それに密接に関係する断層面上の最大す べり速度が一定に見えることは、最大速度に関して上限があると判断することができ る。その理由は地殻の強度に関係する。最大すべり速度が<10m/sであるから,最大速 度<5m/s程度と結論づけている。サイト増幅に関することはなんら触れられていない が、増幅率が大きいS波速度の遅い地盤は、強震時に非線形応答をして揺れが大きく ならないため、これにも上限値を作る要因があるが、定量的な予測問題としては、最 大すべり速度の要因、サイト増幅特性などを詳しく見積もる必要がある.

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