2007年1月18日の雑誌会
Report of Zassikai on January 18, 2007

日 時:2007年1月18日(木)10:30 - 12:30
[DATE: January 18, 2007 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所D570室(本館5階)
[PLACE: Room #D570, DPRI]

雑誌紹介

Reporter: 乘松 君衣 [Kimie NORIMATSU]
Title: Freed A. M., R. Burgmann, E. Calais, and J. Freymueller (2006)
Stress-dependent power-law flow in the upper mantle following the 2002 Denali, Alaska, earthquake Earth and Planetary Science Letters, 252, 481-489
Summary: 2002年、アラスカ Denali地震後の遠地変位観測はアラスカの最上部マントル のレオロジーを決定するのに役立つ。 さまざまな深さにおけるレオロジーのストレス依存の可能性を考えると、地震 や氷河の消滅による非載荷のようなショートターム・パータベーションによるス トレスに対する粘性強度の深さにおけるレオロジーの明らかな温度と空間的多様 性を示唆している。この論文における研究では、上部マントルの粘性強度を直接 に推定するために、2002年、M7.9のアラスカ、Denali地震につづく地震後の変位 のGPS観測を使っている。熱くwetであるオリビンのストレス依存指数法則は室内 実験から派生したレオロジーと矛盾しないことを得ている。また、リソスフェア の粘性強度は室内実験に派生する変計測のベキ乗パラメータの推定とそれを使っ たシュミレーションから空間的にも時間的にも変形することがわかっている。 Denali断層を横切る領域で計算された粘性は、 Denali地震後、100km以上の深さ で大きく低下し、3年後までに徐々に回復、50年後には定常状態にまで回復する とされている。

Reporter: 鈴木 亘 [Wataru SUZUKI]
Title: Takahashi, T., H. Sato, T. Nishimura, and K. Obara (2007)
Strong inhomogeneity beneath Quaternary volcanoes revealed from the peak delay analysis of S-wave seismograms of microearthquakes in northeastern Japan Geophys. J. Int., 168, 90-99
Summary: 最大振幅到達時のS波初動からの遅れ時刻tpは、地殻のランダムな不均 質による地震波散乱の強さの指標となる。東北日本のHi-net観測点を用 いて、太平洋側で発生した地震についてtpを読み取ると、平均的には背 弧側の観測点では前弧側に比べてtpが大きかった。また背弧側観測点で の記録の中でも波線が第四期火山下を通るものはtpが大きく、通らない 記録との間に明瞭な差が見られた。このような傾向は日高山地西部につ いても見られる。さらにtpが生じる三次元的な構造を知るために、波線 に沿って観測されるtpの最小値をマッピングした。これより東北日本の 第四紀火山の下でtpが大きくなるイメージが得られた。また日高山地や 青森沖についてもtpを大きくする構造が見られ、その周波数特性は第四 期火山の直下におけるものとは異なり、性質の違う不均質性が存在する ことを示唆している。

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