Reporter: | 白川 智香子 [Chikako SHIRAKAWA] |
Title: |
Cornou, C., P.-Y. Bard, and Michel Dietrich (2003), Contribution of Dense Array Analysis to the Identification and Quantification of Basin-Edge-Induced Waves, PartT:Methodology Bull. Seism. Soc. Am.,93, 2604-2623. |
Summary: |
本研究では、Grenoble(French)において、口径1kmに3成分の地震計を29台設置し、ア
レイ観測を行っている。Grenoble盆地のサイト特性を同定・定量化を行うための方法
論として、 ・multiple signal classification(MUSIC)アルゴリズムの開発 ・3成分の共分散行列の特性を使った、wave-typeと波のエネルギーの見積もり ・モデルシミュレーション を説明している。 MUSICアルゴリズムでは、アレイ記録で得られる共分散行列から固有値を求め、それ を信号固有値とノイズ固有値に分け、ノイズ固有値と対応するノイズベクトルと直交 するベクトルを求めたい信号ベクトルとして、アレイに同時に到来する複数の波の方 向を推定している。このアルゴリズムはまた、同定した波の伝播方向を与えてくれる ので、水平成分をradialとtranseverse成分に分けることができる。 本研究ではマル チパスによって同じwindowに多くの波が現れるため、震動軌跡を書いてwave-typeを 判別することはできないが、共分散行列から、windowで卓越するpolarizationの平均 された特徴をつかむことができた。 モデルシミュレーションでは、多重波、非定常波、correlated waves(同時にアレイ を通過する、異なる方位角をもつが、同じ周波数で位相が重なる波)を、MUSICアルゴ リズムを使って同定を試みた。その結果、backazimuthよりも速度の見積もりが不安 定で、SN比の低さによるばらつきも見られた。このため、信頼性を高めるためには、 統計に基づく解析が必要と考えられる。 |
Reporter: | 豊田 暁来 [Akiko TOYODA] |
Title: |
Gamal S. El-Fiky (2000), Elastic and inelastic strains in the Japanese Islands deduced from GPS dense array Earth Planets Space, 52, 1107-1112. |
Summary: |
1996から1998年のGPS観測網結果を使用し、弾性ひずみと非弾性ひずみを推定した。 まず、LSP法を使用し、全体的なひずみを求め、次にHori et al.(1999)を使用し、非弾性ひずみを求めた。 非弾性ひずみは全体のひずみの1%未満である結果を得たため、せん断応力はひずみから弾性論でほぼ表現でき、 得られたひずみは地殻の変動を表現している。面積ひずみは、日本が縮み場の中にあり、最大せん断ひずみは地殻活動と一致する結果を示しており、また、ひずみの主軸は日本が海洋プレート沈み込みの影響を受けていることを示している。 |