2006年11月9日の雑誌会
Report of Zassikai on November 9, 2006

日 時:2006年11月9日(木)10:30 - 12:30
[DATE: November 9, 2006 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所D570室(本館5階)
[PLACE: Room #D570, DPRI]

雑誌紹介

Reporter: 岩城 麻子 [Asako IWAKI]
Title: Kham, M., J.-F.Semblat, P.-Y. Bard, and P. Dangla (2006),
Seismic Site-City Interaction: Main Governing Phenomena through Simplified Numerical Models,
Bull. Seism. Soc. Am, 96, 1934-1951.
Summary: 都市部に地震波が入射する際、建物の振動が地面に伝わり、 地盤と構造物の相互作用により地震動が増幅することが知られている(site-city interaction = SCI)。
本研究では台形の地盤の上に均質及び不均質に建物が並ぶ都市部を設置した単純な二次元BEMモデルに 鉛直SH平面波を入射させる数値実験により、建物の配置や地盤の厚さがSCIに及ぼす影響を検討した。
結果として、地盤と建物が共振すると都市全体としては地震動が減少する(group effect)が、 このgroup effectは建物の種類の多様性や配置の空間的な不均質性により小さくなることが分かった。
本研究はSCIの基本的な特徴を捉え発生要因を探る初めての試みとして重要であったが、 都市や地盤のモデルが単純なため、本研究の結果のみからSCIの一般的特徴を推定することはできない。

Reporter: 岩田 友孝 [Tomotaka IWATA]
Title: Kristekov, M., J. Kristek, P. Moczo, and S.M. Day (2006),
Misfit Criteria for Quantitative Comparison of Seismograms,
Bull. Seism. Soc. Am, 96, 1836-1850.
Summary: 合成波形と観測波形の比較には2乗残差和などのmisfit値が用いられることが多いが, ここではMorletウエーブレットを用いたウエーブレット変換によって得られた振幅及び位相差を評価関数(時間及び周波数) として提案し,合成波形が観測波形のどの部分をどのように再現しているかを含めて評価することを提案している. 例えば位相が再現されていない場合に,時間をずらさない2乗残差評価は,低い値に留まるが,位相と振幅を別々に評価することによって, どういうmisfitがあるかを明確にすることが可能となる.
波形の比較には視覚的によい方法と考えられるが,モデルパラメータの推定のためには,目的関数を提示する必要があり,そのためには地震動の特徴を考慮したそれを作成する必要があると考えられる.

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