2006年5月25日の雑誌会
Report of Zassikai on May 25, 2006

日 時:2006年5月25日(木)10:30 - 12:30
[DATE: May 25, 2006 (Thu.) 10:30 - 12:30]

場 所:防災研究所D570室(本館5階)
[PLACE: Room #D570, DPRI]

雑誌紹介

Reporter: 岩城 麻子 [Asako IWAKI]
Title: A. Barberopoulou, A. Qamar, T. L. Pratt, and W. P. Steele (2006),
Long-Period Effects of the Denali Earthquake on Water Bodies in the Puget Lowland:Observations and Modeling,
Bull. Seism. Soc. Am., 519-535.
Summary: 2002年アラスカDenali地震では、震央から2400km離れたWashington州のPuget Lowlandで振幅の大きい長周期地震動画観測された。 周辺の湖や港、プールなどではセイシュ(水面の定常震動)現象が多く報告されている。 本研究ではwater waveの発生と地震動の関係を観測とモデリングの二つの観点から検証している。
シアトル盆地内で堆積層厚が2km超の観測点では特に集中してセイシュが報告されており、water waveが堆積盆地で増幅した継続時間の長い長周期波に起因している可能性がある。 直方体でwater bodyを模したモデリングではスイミングプールなどのwater waveは適切に説明するが、湖の観測水位記録は十分再現できなかった。
より詳細な検証のためには湖岸線や湖底などの地形を適切にモデル化する必要がある。また、高周波水域で水位を測定する器械を湖に設置する必要があることなどがあげられる。

Reporter: 鈴木 亘 [Wataru SUZUKI]
Title: Jon B. Fletcher and A. McGarr (2006),
Distribution of stress drop, stiffness, and fracture energy over earthquake rupture zones,
J. Geophys. Res., Vol. 111, B03312
Summary: 本論文では1992年Landers, 1994年Northridge, 1995年兵庫県南部の3つの内陸地殻内地震を対象として, 既往の運動学的震源インバージョン解析によるすべり速度時間関数から計算した 各小断層における見かけ応力を基に, 静的応力降下量, スティフネス, 破壊エネルギーの空間分布を推定した.
得られた静的応力降下量分布は動力学モデルに基づいて計算された分布と似ていた.
スティフネスはすべりの大きい領域の周辺で大きく、アスペリティモデルに対応するような 分布を示していた.
1995年兵庫県南部地震について, 破壊エネルギーと動的応力降下量 (静的応力降下量より計算される)よりすべり弱化を仮定したすべり−応力の図を描くと, いくつかの小断層についてIde and Takeo(1997)と似たような関係が得られた.

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