以下の講義の案内をいたします.竹中博士先生には防災研究所地震災害研究部門の非常勤講師をやっていただいております.年度末の忙しい日程となりましたが,昨年度「初級編」に引き続き,興味のある方はご参加ください.
日時: | 2004年3月22日(月)10時30分〜12時,14時〜17時 (最後30分は質問タイム) |
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場所: | 防災研究所本館5階D570室 |
講義タイトル: | 弾性波動場の計算法 <中級編> |
講師: | 竹中 博士(九州大学大学院理学研究院助教授) |
内容紹介: |
昨年度<初級編>では,水平成層構造における弾性波動を計算する方法の一つである Propagator Matrix法を扱いました。Propagator Matrix法は「周波数領域」における平 面波の表現をに基づいた半解析的な手法で,その定式化を通して波動理論と計算法 の両方の基礎をエンジョイされたと思います。今回<中級編>では,PropagatorMatrix 法で扱った水平成層構造(正確には,今回は1次元任意不均質構造)における平面 波入射問題を純粋な数値解法である「時間領域」の差分法(FDTD法)で解くことを考 えます。1次元構造の平面波入射問題を従来の3次元の差分法で解くとたいへん効率 が悪いので(美しくないので),専用の支配方程式を導くことから始めます。その作 業を 通して,時間領域と周波数領域の波動の表現の違いを認識し,周波数領域の表現だ けでは見えてこなかった様々なことに気づきます。次にこの支配方程式をスタガード格 子差分を用いて離散化します。こうして得られたFDTD法の式は,本質的に空間1次元 なので単純そうに見えますが,差分解法に伴う種々の問題や現象を存分に体感できる, 絶好の題材です。最後に方法を実際の地震学的な問題に適用した例を紹介します。 授業の前半は,昨年度同様に板書が多いので受講される方は大き目のノートを用意し てください。また,午後の授業の最後に30分程度「質問タイム」を設けます。この 授業 と関係のないことでも地震波動計算法についての質問を歓迎しますので,奮って質問 してください。尚,今回の<中級編>は内容がそれ自身で閉じておりますので,昨年度 の<初級編>を受講されていない方でも楽しんでいただけると思います。内容のレベル は,修士課程程度を想定しています。 |