竹中博士先生の集中講義のお知らせ

水平成層媒質における弾性波動を計算する方法の一つにPropagator Matrix法があります。この方法はやや古典的ではありすが，現在でも実用の場で広く 使われています。Propagator Matrix法の定式化の仕方には，数学的には等価な様々 なやり方がありますが，この講義では，数学的なエレガントさよりも，我々が地震波 について持っている直感的なイメージや実際の記録を解析する際の常識（習慣）にで きるだけ則した実用的な定式化を考えていきます。これは波動の理論が見え隠れする 楽しい作業です。この作業を通して波動理論と計算法の両方の基礎を学ぶことができ ます。

　講義の1日目は平面波入射問題，2日目は震源問題を扱います。いずれも2次元波動 場の問題を考えます。一方的な講義ではなくできるだけディスカッションしながら皆 さんの理解を確かめながら進めて行きたいと思っています。