Iwata's Home

ようこそ


岩田知孝(2020.08.01記)
●この研究室では、地震の時の強い揺れ(強震動)の研究を行っています. 研究成果、構成メンバーについては 研究室のHP を参照してください。

●当研究室では,地震被害を引き起こすような強い揺れ=強震動=がどのように 生じるのか,についての研究を行っています.地球の中の歪みを解放するために 地下の岩盤がずれることにより地震波が発生し,その地震波が地中を伝播し 地表にとどくことによって地震動(強震動)となります. 従って,地中の岩盤のずれがどのようであったか(震源特性), またどういったところを伝播してきたかによって(伝播経路特性およびサイト特性 ,強震動の特徴は決まります.
「強震動地震学」については,私が(公財)日本地震学会の「新・強震動地震学基礎講座」第1回 に寄稿した文章が以下にありますので,興味があればご覧下さい.関連した内容についても 記載があります. 日本地震学会「新・強震動地震学基礎講座」

当研究室では,地震災害に強い,安心・安全な社会の構築を目的として, その基礎となる強震動予測(将来起きる地震で「ここ」はどのくらい 揺れるのか?)研究をアウトプットのひとつと考えています. その強震動予測の信頼度や精度を高めるために,起きた地震の揺れの分析を 行い,こういった揺れを作った岩盤のズレはどのようであったか (震源過程解析の研究),どうしてそこがそういった 揺れになったのか(伝播経路やサイト特性に関する研究)を進めています. 我々の研究室の成果は、地震調査研究推進本部の「全国地震動予測地図」や 地方自治体の「地震被害想定」といった地震災害軽減を目指した活動に 活用されています.

「強震動」「長周期地震動」「地震動予測」「震源特性」「サイト特性(地盤震動特性)」

といった研究・キーワードに興味があり, 大学院でこういった研究をしてみたい,と思われる方は, 研究室の教員にコンタクトをしてください.


●最近起きた被害地震の例をとって,もうすこし具体的な研究室の 研究内容について述べてみます.
日本は,地下では4枚のプレートが押し合っている プレート境界に位置しており,世界でおきる約10%の地震が,陸地面積ではたった0.25%の 日本の陸域とその近くの海底下で起きています.地震の数が多いということは, 規模の大きい地震も頻発するため,日本という国はいつも地震で 「揺すられる」場所に位置しています.
 プレート境界付近では,プレート境界で起きる地震(プレート境界地震)や,プレート境界 の近くの大陸プレート内で起きる地殻内地震(活断層などに関係する地震),沈み込む プレート内でおきる地震(スラブ内地震)といったタイプの地震が発生します.これらの 地震がひっきりなしに起きていたのだと考えられますが,特に最近では 1995年兵庫県南部地震(震災の名前としては,阪神・淡路大震災)以降,活断層に関係する 地震が発生し,また,2011年3月11日にはMw9.0の東北地方太平洋沖地震 が発生して,巨大津波による大被害を主とした東日本大震災が引き起こしました.
2016年には,4月14日M6.5の地震にはじまり,16日1時25分のM7.3の本震が 発生する2016年熊本地震が起きました. これら2回の地震で,熊本県益城町では震度7の揺れになりました. 本震では西原村でも震度7を記録しました.その後,震源域のみならず,震源域の南西側や 北東側の阿蘇から別府・大分に至る地域で活発な地震活動が続きました.

 当研究室では,熊本地震に関して浅野准教授が強震記録を使った震源過程 (M6.5及びM7.3)の研究を行い,EPS誌に掲載されました. 興味のある方はご覧になってください. 2016年熊本県の地震の情報

 このページには震度7の加速度記録からちょっと工夫をして速度,変位記録を求めて みました.変位記録を求めたことにより,今回の本震の震度7の記録には,断層すべりの近くで 見られる地震波の近地項(near-field term)成分が主として現れていることが わかりました.(#観測点は震源断層面上にあったわけではないので,断層ズレそのもの「だけ」 が記録されているのではないことに注意する必要があります. 断層すべりと記録の関係について詳しく知りたい方はご連絡ください)

関西に住んでいる私達が考えなければならない地震としては,南海トラフでおきる 「東南海・南海地震」と,活断層に関係する内陸地殻内地震があげられます. 約100年~150年間隔で発生している南海地震の間には,内陸の活断層に関係する地震が発生し, その発生の度合いは,南海地震後より次の南海地震が起きる前に集中すると言う研究があります (Hori and Oike, 1996).そして現に近畿地方は活断層が密集しているのは事実としてあります. 1946年昭和南海地震から70年以上経ち,次の南海地震への備えが指摘される中, その巨大地震である南海地震や,都市の直下で起きる可能性の高い内陸地殻内地震 の時の揺れ(強震動)の予測を高度化して,地震への備えを進める必要があります. 熊本の地震の揺れの解析によってわかったことは,将来発生する,活断層に関する地震の 強震動をよりよく知るためには重要な手がかりとなります.

2018年6月18日(京都大学は創立記念日でした)朝、大阪府北部を震源とする M6.1の地震が発生し,震源域では最大震度6弱を記録しました.地震被害は 局所的,限定的でしたが,ブロック塀の倒壊により小学生児童 が死亡するなど痛ましい被害も起きてしまいました.当研究室でのこの地震についての 取り組みは以下にあります. 2018年大阪府北部の地震の情報

我々の研究室では、大阪・神戸・京都・奈良といった都市が位置する「堆積盆地」 での地震動特性も長年研究してきており、この大阪府北部の地震は、地下構造モデル の検証をするのに有用なデータを提供してくれたことから、研究を継続しています。 研究室の研究成果や学会発表などをご覧ください。 最近の研究成果

私達はこのような地震被害を引き起こした強震動の成因を解明し,将来の地震での被害を すこしでも減らすことのできる研究を進めています.地震災害軽減には、起きても大丈夫な 備えを進めることにあり、そのためには、どうしてそのような揺れになったのか、という 研究が一番重要と私たちは考えています.
加えて現在, 文部科学省受託研究 奈良盆地東縁断層帯に関する重点的な調査観測(2019-2021) を進めることや,日本海地震・津波調査プロジェクト (2013-2020)に参画し, 強震動予測に関する調査観測研究を行っています.

研究室訪問

は随時受け付けております.メールで岩田(iwata[at]egmdpri01.dpri.kyoto-u.ac.jp) まで気軽にお問い合わせくださるか,下のリンクからお申し込みください.
研究室訪問申し込みページ



大学院で本研究室を目指す方へ

京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻 の試験を受験し,合格する必要があります。

===================================



本研究室を目指す方へ(1)

本研究室は大学院教育としては京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻地球物理学分野 の「地殻物理学・活構造論分科」の講座になります.京都大学大学院理学研究科の教育目標は, 「理学への深く幅広い理解に基づく豊かな 創造性と柔軟な思考力と優れた問題解決能力を有する人材の育成」です. 修士課程では理学研究を遂行するのに必要な基礎知識・研究手法・問題解決能力を身に つけること,博士後期課程では自ら課題を設定して研究を企画・遂行してオリジナル論 文としてまとめあげる能力を身につけること,がそれぞれの君たちの達成目標となります.
本研究室においては,この目標を達成できるように,必要な研究・教育環境をできるだけ 整え,提供する努力をします(*)。その環境において,皆さんにも, それぞれの課程において目標を達成するために最大限の努力をしてください. 達成することがなければ,学位は取得できません.
修士課程においては,学部の時にやってきたような演習問題を解くといった,いわゆる 「演習」では目標達成はできません.本当に自分で考えることができるようになる 必要があり,それを支える基礎知識・研究手法・問題解決能力を身につけなければ いけません.我々はそういった君たちの努力に対して最大限のサポートをします.
大学院は大学の延長ではない,ということを認識する必要があります. 大学では講義に出てレポートと試験に合格すれば単位が獲得できて,修了できた(できる) と思います.ただこれらのほとんどが「受け身」の時間でしょう. 大学院修士課程の「卒業に必要な取得すべき単位数」は,大学ほど必要ではありません. 博士後期課程では,単位という概念はありません. 従って,より自由な時間があります.本来、もっと勉強しないといけない大学院の方が 単位数が少なくてよい,なくてよい理由は何か,ということを考えてみてください. それは個人個人が問題意識を持ち,解決するために必要な知識を自ら蓄積していくこと, そして実際解決していくこと,を習い,学ぶことをするためなのです. 大学院は20代の貴重な時間を使っているのだ,ということを自覚し,その覚悟と真剣さを 持って研究生活を行う意志のある者が目指す「学びの場」であることを意識して下さい. 我々の研究室は高い志を持った学生さんを可能な限りサポートします.
(*)手前味噌ですが,これまでの 研究室の大学院生の国内外での研究発表,活動 をご覧ください。


本研究室を目指す方へ(2)

本研究室の研究に興味を持った方に,本研究室で研究をすすめていく上に必要なことを書きます。
・応用数学の能力: ・英語論文、教科書を読み解く能力: ・解析プログラムについての能力:
です.当研究室で研究を進めてみたい,と思われる 方は,ご一報ください.



-->
「強震動」の研究については,分担執筆をしている 「地震の揺れを科学する」( 東大出版会 2006.7出版.ちょっと古くなってしまいましたが・・)なども参考にしてもらえます.
大学院入学案内のページへ

岩田知孝のHPへ

強震動研究分野のホームページへ