強震動研究分野での研究内容
災害に強い社会づくりに貢献するため、大地震時の強震動予測に関する研究を行っています。震源の物理と地震波動論に基づいた震源からサイトに至るまでの強震動の生成、伝播に関する基礎研究を行うとともに、合理的な広帯域強震動予測手法の構築に関する研究を行っています。
震源での強震動生成機構
- 強震記録に基づく震源インバージョンによる震源破壊過程の推定
- 広帯域強震波形モデリングによる強震動生成メカニズムの解明
- 内陸地殻内地震、プレート境界地震、スラブ内地震の不均質断層破壊過程の特性化
- 新しい震源インバージョン手法の開発
- 極大地震動・震源断層近傍強震動の生成メカニズム
2018年北海道胆振東部地震の震源モデル(Asano and Iwata, 2019)及びそれを用いた地表での予測最大速度分布
スラブ内地震の震源パラメータのスケーリング関係と特性化震源モデルの模式図(Iwata and Asano, 2011)
地震波の伝播・サイト特性に関する研究
- 長周期地震動の生成・伝播特性解明とモデル化、地震動シミュレーション
- 微動観測、反射法地震探査などによる地盤構造探査
- 地震動波形データを用いた地下構造推定(レシーバ関数法、自己相関関数法など)
- 地震波干渉法を用いた地震動伝播特性の検討
- サイト近傍の表層地質の地震動へ及ぼす影響
- 浅部地盤の非線形サイト特性
2013年淡路島の地震の地震動シミュレーション(Asano et al., 2016)
砺波平野での微動アレイ観測
シナリオ地震にもとづく強震動予測に関する研究
- 広帯域強震動シミュレーション手法の開発(経験的グリーン関数法,統計的グリーン関数法)
- 強震動予測レシピの高度化と過去の地震の強震動評価による検証
- 活断層情報を利用した強震動予測手法の開発
- 海溝型巨大地震の長周期地震動の予測
- 地震動予測地図作成手法に関する研究
大阪堆積盆地三次元速度構造モデルの基盤形状
(社会防災研究部門都市防災計画研究分野、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立研究開発法人建築研究所と共同開発;Sekiguchi et al., 2016)
強震観測
- 宇治構内三次元小スパンアレイ地震観測
- 京都大学百周年時計台記念館地震観測(京都大学のページ)
- 京都盆地南部におけるアレイ地震観測
強震動研究分野での研究・教育活動の様子
ワークステーションを用いた解析(左),英語教科書の輪読ゼミ(右)
国際学会等での研究成果発表(左),博士学位論文の発表(中),強震動に関する研究集会(右)