K-NET HKD086 (直別)で観測された強震記録について

京都大学防災研究所 地震災害研究部門 強震動地震学分野
2003年9月26日 作成
2003年9月29日22時00分更新 (図4の修正)



(図1) 震央(気象庁暫定)とHKD086観測点の位置

この観測点は北海道白糠郡音別町字直別という太平洋沿岸の町にあり,震央距離は約130kmである.

HKD086の位置

(図2) 3成分の加速度波形

計測震度相当値は6.4であった

HKD086の加速度

(図3) 加速度波形を積分することにより得た速度波形

ただし,0.1-10Hzのバンドパスフィルターを施している. EW成分の最大振幅がNS成分の約2倍あり,100 cm/sを超えている.

HKD086の速度

(図4) 加速度応答スペクトル(上)と速度応答スペクトル(下) [表紙の図に同じ]

ともに減衰は5%. HKD086がK-NET直別の記録である. HKD129はK-NET苫小牧,TMKは港湾地域強震観測の苫小牧-G観測点の記録である. 比較のため,1995年兵庫県南部地震の鷹取(TKT)と神戸海洋気象台(KOB), 1999年台湾集集地震のTCU068の記録を併せて描いた. 兵庫県南部地震の記録と比較して,長周期成分に富んでおり,プレート境界地震であった台湾集集地震の 記録に似ていることがわかる. 今回の地震のHKD086(直別)での加速度応答スペクトルのピークが周期0.5〜1.0秒(1〜2Hz)付近にあり,約2500galとなっている. また速度応答スペクトルのピークが周期1.5秒付近にあり,速度応答値も約500cm/sである.

HKD086の応答スペクトル

独立行政法人防災科学技術研究所による強震観測網(K-NET)の強震記録及び 独立行政法人港湾空港技術研究所による港湾地域強震観測の強震記録を使用させていただきました. 関係者の皆様に感謝いたします.