2013年10月24日の雑誌会
Report of Zassikai on Octobar 24, 2013

日 時:2013年10月24日(木)10:30 -
[DATE: Octobar 24, 2013 (Thu.) 10:30 - ]

場 所:防災研究所セミナー室III E-517D室 (本館E棟5階)
[PLACE: DPRI seminar room III, E-517D]

雑誌紹介

Reporter: 久保久彦
Title: Hiroko Sugioka, Taro Okamoto, Takeshi Nakamura, Yasushi Ishihara,Aki Ito, Koichiro Obana, Masataka Kinoshita, Kazuo Nakahigashi, Masanao Shinohara, and Yoshio Fukao (2012) Tsunamigenic potential of the shallow subduction plate boundary inferred from slow seismic slip Nature Geoscience, 5, 414?418, doi:10.1038/ngeo1466.
Summary: 著者らは紀伊半島沖のプレート境界浅部で発生した超低周波(VLF)地震を対象として広帯域海底地震計による観測を行い,その観測結果および解析結果を本論文で報告している.
その結果,これまで付加体内部で生じていると考えられていた浅部VLF地震は非常に低角な逆断層すべりのメカニズムで付加体下のプレート境界(デコルマ)に沿って生じていることを示した.また,浅部VLF地震は30-100秒の継続時間を持ち,この継続時間は同等の地震規模(Mw 3.8-4.9)を持つ普通の地震の継続時間(1-2秒)に比べて非常に長いことも示した.加えて,広帯域海底地震計によって観測された浅部VLF地震による地震波は思いがけなく高周波成分が豊富であることも示した.
著者らはテクトニック応力によるアスペリティのせん断破壊と岩盤圧力を超える流体圧下での水圧破砕(hydrofracture)という二種類の破壊で構成されるデコルマ上の破壊として浅部VLF地震を考えることを提案していて,このモデルは長い震源継続時間と高周波地震波の励起の共存という浅部VLF地震に関する上記の結果と調和的である.

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