1994年度修士論文

経験的グリーン関数法を用いた強震動による地盤の非線型応答の時間歴解析

ホルヘ アギーレ ゴンサレス


時間領域での地震動合成波形と観測波形を比較することによって,強震時の地盤の非線型応答を地震学的に立証した.ここで合成波形は線型の仮定に基づく経験的グリーン関数法により計算される.強震動時にやわらかい地盤上での合成波形が観測波形より過大評価されることは,その地盤が非線型応答したためであると解釈できる.この方法を,1987年千葉県東方沖地震の千葉アレーで観測された記録に適用した.その結果,地中観測点では合成波形と観測波形はよく一致するが表層地盤内の観測点では,合成波形は観測波形に比べて過大に評価された.ハスケル1D線形計算でも同じ結果を得ることができた.最後に表層地盤内の観測波形は地盤の非線型性を等価線型化手法で近似して計算された合成波形によく一致することが示される.