K-net, KiK-net地震記録を用いた断層破壊過程の推定(関口春子・岩田知孝)




●K-net, KiK-net地震記録を用いて震源インバージョンを行った.
○仮定した断層モデル:走向N150E,伏角90 (Freesia,余震分布,CMTを参照)
 長さ:33km 幅:21km. 小断層サイズは3kmX3km. 小断層の数は11x7個.
○観測点記録:K-net, KiK-netの14地点. KiK-netは地表観測点記録を利用. 速度波形に積分し,0.1-1.0Hzのバンドパスフィルターをかける. ターゲットはS波到達前1秒から15秒間.観測点分布を
Fig. 1に示す.
○グリーン関数:速度構造は京都大学防災研究所地震予知研究センター鳥取地震観測所の震源決定に用いられる構造を使用(伊藤・ほか,1995防災研究所年報). 発震点位置は35.2679N, 133.3527E, 13.5km(京都大学防災研究所地震予知研究センターを参照)を使用.
○インバージョン手法はHartzell and Heaton(1983)に準じる. 拘束条件はSekiguchi et al.(2000)の時空間でのスムージングを導入. すべり方向の拘束は 0度(左ズレ)+-45度. 各小断層には継続時間1秒のSmoothed Ramp Function の微分を0.5秒間隔でおく. 破壊速度と拘束条件の重みはABICと波形の残差で決定し,このモデルの最初のタイムウインドウは破壊開始点から2.3km/sで円形に破壊がすすむものが選ばれた.

推定されたすべり分布はFig. 2に示される. 断層面を南西側から見ている. 発震点より浅い方でおもにすべりがみられ,大きなすべりは発震点よりやや南東側にある. 左横ズレが卓越し,最大すべり量は約3m. 発震点付近のすべりは小さい.
破壊の進展はFig. 3に示される. 発震後,約4〜7秒に,浅い部分でのすべりが卓越した.
波形のフィットはFig. 4に示される.黒が観測波形.赤が合成波形.

地震モーメントは絶対値で1.93*10**19N.m (Mw6.8)でほかの波形インバージョン結果の中では大きい方. グリーン関数に使っている速度構造が地表近くまで速いので すべりを過大評価している可能性がある.
○すべりモデルの特性化:Somerville et al.(1999, SRL)の規範に従い,すべりモデルの特性化を行った.得られた地震モーメントと破壊面積Fig. 5-1, 平均すべり量Fig. 5-2, アスペリティの総和面積Fig. 5-3, 最大アスペリティ面積Fig. 5-4との関係が示される. 従来の経験式に乗った結果が得られている.

謝 辞:科学技術庁防災科学技術研究所K-net,KiK-netのデータを使用させていただいた. Fig.5-1〜5-4は宮腰研博士によるものです. 記して感謝します.





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